池上梅園とは?東京都内屈指の梅の名所
池上梅園は、東京都大田区池上にある区立庭園で、大田区の花である「梅」を存分に楽しめる都内屈指の梅の名所です。池上本門寺の西側に位置し、丘陵斜面を巧みに利用した風情ある庭園として、毎年2月から3月にかけて約7万人もの来園者が訪れます。
園内には約30種・370本の梅(白梅150本、紅梅220本)が植えられており、早咲きから遅咲きまで長期間にわたって梅の花を楽しむことができます。斜面一面に紅白の梅が咲き誇る景観は圧巻で、甘い梅の香りに包まれながら散策できる、東京の早春を代表するスポットです。
池上梅園の歴史
池上梅園の歴史は、戦前まで遡ります。この地にはかつて、美人画で知られる日本画家・伊東深水の自宅兼アトリエ「月白山荘」と画塾「朗峯画塾」がありましたが、戦災により焼失してしまいました。
戦後、敷地は拡張され、築地の料亭経営者・小倉誠の邸宅となりましたが、所有者の没後「庭園として残すこと」を条件に東京都へ譲渡されます。その後、1978年(昭和53年)に大田区へ移管され、区の花である梅を中心に植林が行われ、現在の「池上梅園」として整備されました。
園内には歴史的な建造物も残されており、政治家・藤山愛一郎所有の茶室を移築した「聴雨庵」や、建築家・川尻善治の自邸の離れを移築した「清月庵」など、数寄屋造りの建物が梅園に風情を添えています。
2026年の梅の見頃時期
池上梅園の梅の見頃は、例年2月中旬から3月上旬です。2026年は暖冬の影響により例年より早めの開花となっており、平年より8日早い1月14日に東京のウメ開花宣言が出されました。
2026年の開花状況(最新情報)
| 日付 | 開花状況 |
|---|---|
| 1月30日 | 早咲きの梅は見頃、全体では3分咲き程度 |
| 2月1日 | 4分咲き(満開に近い木とまだ蕾の木が半々) |
園内には早咲きの「寒衣(かんごろも)」から遅咲きの「八重揚羽(やえあげは)」まで、開花時期の異なる品種が植えられているため、2月上旬から3月上旬まで約1ヶ月間梅を楽しむことができます。見頃の最新情報は大田区公式サイトで随時更新されていますので、お出かけ前に確認することをおすすめします。
2026年のイベント・梅まつり情報
パネル展・バナー展
2026年は2月1日(土)から3月1日(日)まで、休憩所にて池上梅園の歴史をまとめたパネル展が開催されます。また、バナー展も同時開催され、期間中に展示作品が入れ替わります。
| 期間 | 展示作品 |
|---|---|
| 2月1日〜2月15日 | 伊東深水「紅梅」、小林清親「池上本門寺」 |
| 2月16日〜3月1日 | 伊東深水「池上本門寺山門雪景」、歌川広重「蒲田の梅園」 |
大田区立郷土博物館3階「馬込文士村」常設展示コーナーでも、伊東深水の版画作品が展示されていますので、あわせて訪れてみてはいかがでしょうか。
夜間ライトアップ
池上梅園では、梅の見頃にあわせて期間限定の夜間ライトアップが実施されます。幻想的に照らし出された紅白の梅は、昼間とは異なる妖艶な美しさを見せてくれます。
2025年のライトアップは2月14日から3月2日まで開催されましたので、2026年も同時期の開催が予想されます。ライトアップ期間中は開園時間が午後8時まで延長されます(入園は午後7時30分まで)。
昼間に入園した方は、当日に限り入場券を提示すれば夜間のライトアップ時間に再入園が可能です。日中の梅と夜のライトアップ、両方を楽しむのもおすすめです。
池上梅園で見られる梅の品種
池上梅園には30種余りの梅が植えられており、白梅から紅梅、一重咲きから八重咲き、枝垂れ梅まで、多彩な品種を楽しむことができます。
主な品種
- 緑萼枝垂(りょくがくしだれ):白花・八重咲きの枝垂れ梅。萼が緑色で上品な姿
- 藤牡丹枝垂(ふじぼたんしだれ):薄紅色・八重咲きの大輪枝垂れ梅。豊後系の遅咲き品種
- 思いのまま:同じ木に紅白の花を咲き分ける珍しい品種。毎年咲き分けの比率が変わる
- 座論(紅):国内でも数本しかないといわれる希少品種
- 見驚(けんきょう):優しく繊細なピンク色が特徴の名花
- 八重揚羽(やえあげは):遅咲きの品種で、牡丹のような豪華な花姿
- 寒衣(かんごろも):早咲きの品種で2月上旬から咲き始める
池上梅園の基本情報
開園時間・休園日
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開園時間 | 午前9時〜午後4時30分(入園は午後4時まで) |
| ライトアップ期間 | 午前9時〜午後8時(入園は午後7時30分まで) |
| 休園日 | 2月・3月を除く毎週月曜日、年末年始(月曜日が祝日の場合は翌平日) |
2月・3月は休園日なしで毎日開園していますので、見頃の時期はいつでも訪れることができます。
入園料
| 区分 | 料金 |
|---|---|
| 大人(16歳以上65歳未満) | 100円 |
| 小人(6歳以上16歳未満) | 20円 |
| 6歳未満 | 無料 |
| 65歳以上 | 無料(要証明書) |
| 身体障害者手帳・愛の手帳・精神障害者保健福祉手帳所有者 | 無料(介護者1名まで無料) |
所在地・お問い合わせ
| 所在地 | 東京都大田区池上2-2-13 |
|---|---|
| 電話番号 | 03-3753-1658(池上梅園事務所) |
アクセス方法
電車でのアクセス
- 都営地下鉄浅草線「西馬込駅」南口から徒歩約10分
- 東急池上線「池上駅」から徒歩約20分
西馬込駅からは、南口を出て大きな通りをまっすぐ進むだけなので分かりやすいルートです。池上駅からは池上本門寺を経由して向かうこともでき、道中には由緒あるお寺や人気のお店が並んでいます。
バスでのアクセス
- JR「五反田駅」東口から東急バス(川崎駅行き)で約25分、「本門寺裏」バス停下車徒歩約3分
- JR「大森駅」山王口から上池上循環外回りバスに乗車
車でのアクセス
- 首都高速目黒線「戸越出口」から約15分
- 首都高速羽田線「羽田出口」から約20分
駐車場
園内には6台分(うち身体障がい者用1台)の駐車場があり、料金は30分100円です。ただし、梅の見頃時期(2月・3月上旬)の土日祝日は混雑緩和のため駐車場は利用できません。
また、2026年は2月1日から3月8日までの土日祝日は、池上梅園付近の道路が午前9時から午後5時まで一部車両通行止めとなります。公共交通機関のご利用をおすすめします。
園内の見どころ・施設
見晴台
園内の階段を上がると見晴台があり、丘陵斜面に咲き誇る梅の花と大田区の街並みを一望できます。2013年(平成25年)には見晴台へつながるデッキが新設され、より梅の花を楽しみやすくなりました。ベンチも設置されているので、散策の合間に一休みするのにも最適です。
茶室「聴雨庵」「清月庵」
園内には二つの由緒ある茶室があります。「聴雨庵」は政治家・藤山愛一郎所有の茶室を1983年に移築したもので、太平洋戦争中には東条内閣打倒の密議が行われた歴史的な茶室です。「清月庵」は伊東深水のアトリエを設計した建築家・川尻善治の自邸の離れを移築したもので、数寄屋建築の美しさを今に伝えています。いずれも事前予約により茶会などで利用可能です。
和室・水琴窟
池に臨む和室や、日本庭園ならではの風情を感じられる水琴窟も見どころです。和室は句会などの利用も可能で、事前予約制となっています。
雪吊り
冬の風物詩として知られる雪吊りも、池上梅園の見どころの一つです。兼六園などで見られる伝統的な雪吊りが施され、梅の花との美しいコントラストを楽しめます。積雪があれば、雪景色の中の梅と雪吊りという格別な光景を見ることができます。
混雑状況と訪問のコツ
混雑する時期・時間帯
梅の見頃を迎える2月中旬から3月上旬の土日祝日は特に混雑します。ただし、園内はそれほど広くないため、休日でも極端な混雑は感じにくいという声もあります。
おすすめの訪問タイミング
- 平日の午前中:比較的空いており、ゆっくり観梅を楽しめます
- ライトアップ時間帯:日中より来園者が少なく、幻想的な雰囲気を堪能できます
- 開花初期(2月上旬)または終盤(3月上旬):見頃のピークを避けることで混雑を回避
周辺の観光スポット・グルメ
池上本門寺
池上梅園から徒歩数分の場所にある日蓮宗の大本山です。境内には五重塔や重要文化財の建造物があり、階段を上ると大田区全体を一望できる展望台もあります。梅園とあわせて訪れるのがおすすめです。
本門寺公園
池上本門寺に隣接する公園で、桜の名所としても知られています。池上梅園で梅を楽しんだ後、のんびり散策するのに最適です。
周辺のグルメスポット
池上梅園内には飲食店がなく、周辺も飲食店が少ないエリアです。事前にお食事処をチェックしておくことをおすすめします。
- くずもち:池上といえば「くずもち」が名物。浅野屋本店、池田屋、藤乃屋、浅野屋本舗などの老舗があります
- 村田商店:自家製あんみつ・ところてんの販売店
- 名代瓦煎餅 寳屋:昭和初期創業。本門寺周辺を絵柄にした瓦煎餅がお土産に人気
- 古民家カフェ 蓮月:昭和8年(1933年)に建てられた古民家を改装したカフェ
- 人形町今半 池上本門寺店:すき焼きやしゃぶしゃぶの名店
池上梅園を訪れる際の注意点
交通規制について
2026年は2月1日から3月8日までの土日祝日、池上梅園付近の道路が午前9時から午後5時まで一部車両通行止めとなります。お車でお越しの際はご注意ください。
駐車場について
梅の見頃時期(2月・3月上旬)の土日祝日は駐車場が利用できません。公共交通機関のご利用を強くおすすめします。
園内でのマナー
園内へのアルコール類の持ち込みおよび飲酒は禁止されています。また、梅の枝を折ったり、花を摘んだりする行為は厳禁です。美しい梅園を守るため、マナーを守って観梅をお楽しみください。
まとめ
池上梅園は、都内にいながら約370本もの紅白の梅を楽しめる貴重なスポットです。丘陵斜面を利用した庭園ならではの立体的な梅の景観、歴史ある茶室や水琴窟、そして期間限定の幻想的なライトアップと、見どころが満載です。
2026年の梅の見頃は2月中旬から3月上旬が予想されており、暖冬の影響で例年より早めの開花となっています。お出かけ前に大田区公式サイトで最新の開花状況を確認し、ベストなタイミングで訪れてみてはいかがでしょうか。
春の訪れを告げる梅の花と芳香に包まれながら、池上梅園で早春のひとときをお過ごしください。